What’s WEA?

本家本元WEAの国際カンファレンスが2月12日にオンラインで行われました。12日の深夜0:00から始まり、翌日13日の朝8:00に終わるという地獄のスケジュールだったのですが、老体に鞭打って、最初と最後に参加しました。

ここ数年のカンファレンスは、参加者が大体100名強といった、WEAJカンファレンスと同じぐらいの規模が続いていましたが、今回は申込者500名、アクセス者は常時200名程度と、改めてオンラインのパワーを見せつけられました。

私がWEAのメンバーになった20年ぐらい前のメンバーとも久しぶりに再開でき、とても幸せな時間を過ごすことができました。

今回は、WEAJのメンバーにとっては、今となってはですが、カンファレンスの冒頭のセッションで紹介されたWEAについて、改めて共有いたします。

WEAとは、野外指導(アウトドアリーダーシップ)を専門とし、職業としての持続的な発展を目指す、学生、指導者、育成者のコミュニティーです。

単に野外指導の技術の上達や、ネットワークだけでなく、職業(プロフェッショナル)として考えているということが重要です。

野外指導者の育成や、その組織の公認基準を示し、野外指導者及び育成者の体系的な養成と証明のシステムを提供しています。

指導者に対する資質の証が資格(サーティフィケーション)、コースのプロバイダーに対する資質の証が公認(アクレディテーション)です。日本だと、まだまだ言葉の整理ができていませんが(この翻訳が良いかも不明)、意味は使い分けていきたいですね。

1977年の設立当初はWilderness Use Education Association という名称でした。ここからも、野外を「用いた」教育というWEAの理念がわかります。

当初は野外指導者に必要な18のスキルの固まりを示した18ポイントカリキュラムを、3週間の野外遠征で習得するというのが、アメリカのナショナルスタンダードとなりました。

そして、このカリキュラムを用いて、大学で野外を専攻する学生をトレーニングして、資格を与えるというのが、長年の役割でした。

うちの会社の名称が、WEAのテキストの名称のパクリだというのがバレちゃいましたね。

ところが、大学の専攻の多様化や、長期遠征がやりにくくなった教育環境を踏まえ、2000年前半に、18ポイントカリキュラムを見直す動きが起こりました。

それが現在の6+1コンポーネントで、18のスキルの固まりをさらに、6つの構成要素(コンポーネント)に体系化し、「判断力」をその全てを活用するスキルとして位置付けました。つまり、判断力が+1ということです。

また、18のうち、冒険活動スキル(クライミング、パドリング、スキー)と、野外救急法の2つについては、当時すでにそれぞれの専門団体が確立していたことから、WEAのコースではなく、各自が別の団体で指導内容に応じて取得することが義務付けられました。

これにより、3週間の野外遠征を行わなくても、色々な団体、コースで必要な構成要素を習得し、総合的に6+1をカバーできたか評価する、柔軟なカリキュラムが誕生しました。

これが、WEAが日本でも導入可能となった大きな要因です。

資格を与える体系は以下の通りです。

まず、野外指導者としての業界基準(ベンチマーク)となるなのが、Certified Outdoor Leader(COL)です。この資格は、6+1を用いて、野外指導ができるという資質の証です。

一方、そのCOLを育成する資質の証が、Certified Outdoor Educator(COE)です。単に、野外指導ができるというだけでなく、指導者を育てるためにコースをデザインできて、指導者の到達段階を妥当に評価する能力が必要となります。

そして、もう一つ重要なのは、そのコースを主催する機関が、それに相応しいサービスを提供できるかといった、公認(アクレディテーション)の仕組みです。

18ポイントカリキュラムでは、単一の指導者が3週間のコースで指導者養成をすれば良かったのですが、6+1では、複数のコース、複数の指導者、異なった教育機関との連携で、一人の生徒を育てるわけですから、その全てを提供できる資質があるか審査されます。

また、近年の新し資格として、COLへのトレーニング中という位置付けで、Outdoor Leader Traning Course(OLTC)というのができました。これは、これだけ構成要素をブレイクダウンしても、まだまだCOLを満たすことができない機関、コースに対して、一部の構成要素は履修できましたというお墨付きです。今後COLへのエントリーレベルとして効果的に活用されることが期待されています。