雨でも火がつくたき火の極意

みなさん普段たき火ってどうやって起こしてますか?キャンプ場で薪を買って、着火剤を使ってます!?キャンプ場にいるときはそれでいいかもしれませんが、その技術は野外では役に立たない技術になってしまいますね。野外の技術は、どのような状況でも役に立つ「汎用性」が大切です。晴れの日だけでなく雨の日も!今回は、雨の日でも火を起こせる基本中の基本のたき火のテクニックをご紹介します。

おっと、その前に、たき火はやり方を間違えると、自然に与えるインパクトが最も大きいアウトドアテクニックの一つです。まずはLNT5最小限のたき火の使用の動画を見てから、このブロクを読みましょうね。

薪の組み方には、左から立て掛け式、井桁型、TP型がありますが、なんと行っても基本は、TP型です。ですので今回はTP型についてのみ説明します。

薪の種類

キャンプ場かった薪は、新聞紙などの火口(ほくち)からいきなり薪に火をつけますが、実際の落ちた枝では、晴れていても無理です。実は、3種類の薪を準備することがとても大切。

1.こっぱ

枝の一番先の細い部分です。目安で言うとつまようじ以下のサイズ。こっぱの目的は、火口からすぐに火が移りすぐに大きな熱量を得られること。ただし、こっぱ は一瞬で燃え尽きてしまいます。雨の日はこれをポキポキおりながら手で握りしめていると、結構乾きます。

2.火付け

枝の先端付近の比較的細い場所。目安としては割り箸程度。火付けの目的は、こっぱ の強い熱量で火がつき、その火を火もちさせる役割があります。ですので、一度火付けにつけば、安心です。

3.薪

最後に、焚き火を続けるためにくべ続ける薪です。これは指ぐらいの太さで十分です。たき火の目的にもよりますが、調理をしたり、明かりを得るには、この太さで十分です。たき火の目的や時間に応じて、この薪をたくさん準備しておきます。

4.火口

火口にはスギっぱなど油分がある落ち葉がいいですかね。杉がないところでは、現実的には、新聞紙などを使っています。

ではいよいよ雨の日のたき火のテクニックです。

  1. 薪の準備は、火付けをいつもの2倍くらい準備してください。他は通常と同じで大丈夫です。
  2. まずは、雨の当たらない場所をタープなどで作って、かまどと薪の準備をします(LNT5)。
  3. こっぱ や火付けは表面はできる限り水気をとり、必要であれば濡れた樹皮を取ると、中は乾いています。
  4. 次に、火口を濡らさないことと、火がつくことによって濡れた地面が水蒸気が上がり、火がつきにくくするのを防ぐために、かまどの底に火付けサイズの薪を使って火床(ひどこ)をつくります。
  1. 今回は新聞で火口を作りましょう。新聞丸めて入れるのではなく、1/4ぐらいの大きさで、頭のないてるてる坊主のような円錐形をつくります。これによりてるてる坊主の裾に着けた火が、上に行くにつれて集まり、より大きな熱量を得られるのです。もしカラー印刷のチラシがあったら、インクに防水効果があるのでそちらの方がいいですね。みなさん知っていることですが、ダケカンバの皮は油分が含まれているので、びっしょり濡れていてもつきます。でも、たき火のためにダケカンバの皮をベリベリ剥がす人はあまり見たくありませんね。
  2. ここからは、スターターで火を付けるまで、素早くやるのがコツです。もたもたしていると、火口が水を吸い込み火がつかなくなります。火口→こっぱ →火付けの順に、円錐形をキープしながら組んでいきます。当然上に組んでがないと、下からの火はつきませんよね。
  3. そして、スターターで火を付ける直前に、円錐形の薪を両手で囲うように持って、薪同士がちょうど良い密度になるように、トントンと締めます。荒すぎると熱が伝わらず、締めすぎると酸素が供給されません。ちょうどいい塩梅がコツです。
  4. そしていよいよスターター。てるてる坊主の裾の数カ所につけましょう。ライターだと傾けられないので、やぱりマッチがいいんですよね。裏技として、薪を片手で崩さないように持ち上げて、下から火口に火を付けることも可能です。
  5. 最初は、白い煙が出てまだ火付けに燃え移っていない状態ですが、ここで息を吹くとこっぱだけ先に燃えてしまいます。火付けに着くまでじっと我慢。火と会話できるようになった人だけ、こっぱ を優しく吹いていいです。
  6. 火付けに火がついたら、ここでメインの薪を入れずに、余分につくっておい火付けを足して、火力を安定させます。
  7. その間たき火の周りに薪を井桁型に組み、表面を乾燥させます。
  8. 薪に火がついたらもう安心です。井桁の薪を使ったら、また濡れた薪を井桁に足して、常に乾いた薪をキープしましょう。

どうですか?できそうですか?薪の表面にナタ目を入れるなど、やって悪いことではないですが、井桁に組んでいるうちに乾いちゃうのでやらなくてもいいかなと思います。なかなか雨の日に焚き火をやろうなんて思わないし、その機会もなかったと思いますが、たき火の技術が本当に必要になるは、悪天候や低体温などのヤバいときです。その時に命を分けるのが、本物の野外生活技術です。

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