目の前の景色の地形図なんて書けるの?と思う人もいるかもしれません。実は、ちょっとしたコツでとてもリアルな地形図が書けるのです。 コース中の地形図の理解のところで、このアクティビティを行うと、ほとんどの生徒は、複数の等高線が途中で一本になったり(ブラックホール出現!?)、谷が尾根を超えたりと(トリックアート!?)、とてつもない地形が出来上がります。そんな時、皆さんがバシッとリアルな地形図を描けたら、皆さんの信頼度はさらにアップします。
では、どうすれば良いのでしょうか?
普通の人はいきなり等高線を書き始めて失敗していますが、実際の地形図から「概念図」を書くことの逆を応用すれば良いのです。一般的には、地図上のピークを▲、コルを=、尾根を-(線)で表現します。これにより、山域の大体の地形の構成が分かります。つまり、この逆をやればいいのです。 まず、指定した範囲の、主要なピーク、コル、尾根、谷を決め、それぞれをホワイトボードに、ポイントします。この時正確を期するのであれば、コンパスで自分の位置からの方角や、補足で距離を計り、距離の比率を表現しても良いかもしれません。指定した地形で、谷が特徴であれば、谷を点線で書いてもいいかもしれませんね。ただ、尾根が決まれば、必然的に谷も決まります。あまり細かくしすぎると、墓穴を掘るので程々に。
次に指定した範囲で一番高いピークから等高線を書いていきます。この時重要なのが、4地形の等高線の特徴を思い出すことです。ピークは同心円状、コルはひょうたん型、尾根はピークからU字に伸び、谷はコルに向かってV字に伸びます。この原則を考えながら、概念図に沿って等高線を書いていきます。途中、目標の地形を見ながら、高さの違いや、斜度(急斜面は密、緩斜面は疎)を表現します。実際の地形を見ながら等高線を描くより、概念図に沿って、等高線の原則を統合しながら書いた方がリアシティがありますよ。
指導者は、生徒の地形図の理解度や、何を伝えたいかよく考えて、地形を選ぶと良いでしょう。範囲は、あまり広くなく、指定の時間内で生徒が歩き回れる範囲が適当です。また、もし指導者に立体描写のセンスがあれば、生徒が書いたありえない地形を、立体図で表現してあげるのも良いかもしれません。どの地図も世界遺産級の面白い地形が出来上がること間違いなしです。
また、ちょうど良い地形がない場合は、以下のようなものが地形図作りのサンプルになります。
- 伝えた地形を土をもって表現する
- 複雑な形をした石
- ヘルメット(初級編)
- 登山靴(上級編)
このアクティビティを繰り返すことで、2次元の地形図を3次元の地形に、3次元の地形を2次元の地形図に頭の中で自由自在に置き換えられるようになります。みなさんも地形図を極めてBe Outdoor Professhonal!
ご興味のある方はぜひ無料のメルマガにご登録ください。
ナビゲーション、地形図について詳しく知りたい方は、アウトドアリーダー・デジタルハンドブックを参考にしてください。
本格的に野外指導を勉強し、指導者を目指したい方は、Wilderness Education Association Japanのサイトをご覧ください。
backcountry classroom Incが提供するオンラインサロン「Be Outdoor Professional」では、みなさんの野外の実践、指導者養成、研究に関するお悩みを解決します。また、日本全国の野外指導者と情報を共有し、プロフェッショナルなネットワークづくりをお手伝いします。1ヶ月間お試し無料ですので、ぜひサイトを訪ねて見てください。