オンラインから学ぶこと

コロナ感染がグズグズと治ることなく、冬のインフルエンザシーズンを迎えました。時代はまだまだリモート&オンラインが続きそうですね。

2020WEAJカンファレンスはオンライン開催となりました。WEAJメンバーやファンの方の中で残念に思った方も多いと思いますが、最近オンラインの方がいいなあと思うことがたくさんありまた。

今回はオンラインティーチングで感じた、インパーソンよりも良いところや、自分のティーチングスタイルでオンラインから受けたフィードバックについて一緒に考えましょう。


自分の顔が見える

これ、インパーソンでは不可能ですよね。自分の表情、自分の声のトーンなどが、画面を通じて即座のフィードバックとして戻ってきます。私は、笑顔が苦手で口角がなかなか上がらずに「への字」口でしゃべってしまうのですが、「なんかオレつまらなそうな顔して喋ってんなあ」とか、反省したりします。人との話すときにどんな表情や話し方をしたら良いのか、相手にどんなように伝わるのか改めて気づくことができました。


パーソナルスペース

カメラから外ればもちろんですし、モニターのオフ機能を使って、自分の思考に集中することもできます。逆に、これは自分にはあまり関係ないなというときは、相手に嫌な思いをさせずに、一時思考の離脱もできます。インパーソンだと、目線を合わせながら心ここにあらずというがなかなかできず、常に集中が必要ですが、オンラインだと、自分のターンや、聞きたいに内容に集中するなど、メリハリができました。


フラット

画面上に決まったスペースを割り当てられる升目の中に収まれば、誰が教師で誰が生徒なんてありません。この構造が、きっと心理的な上下関係を少なくするのでしょう。インパーソンだと、どうしても教師として生徒をマネジメントする意識が強いですし、生徒も教師に従属する気持ちはどうしてもあると思うのですが、オンラインだと生徒の話も、一個人として聴けるし、生徒の発言からも教師に対する抵抗も低くなっているようです。インパーソンでもこのオンラインの関係を大切にしたいですね。


話し方

これは即座のフィードバックではないのですが、録画機能を使って自分の話し方をチェックできます。その結果、ガーンってショックを受けることがめちゃくちゃ多いです。自分て今までこんな話し方してたのかって。私の場合、まず早口、ついつい情報を詰め込んでしまいます。それに、「まあ」とうフレーズを連発し、これがなんとも聞き心地が悪い。今まで学会とかでこんな話し方をしていたかと思うと穴があったら入りたい。こんなフィードバックを受けることができるのもオンラインの良さですね。


傾聴

インパーソンの場合、基本的には五感を使い、相手以外の情報の刺激も受けながらコミュケーションをとりますが、オンラインでは、相手の表情と発言以外の刺激がないため、それらに全集中でいます。また、発言中のインタラクティブがしにくいこともあり、ひとまず相手の発言が終わるまで傾聴します。昔からついつい途中で口をはさんでしまう性格でしたが、傾聴する力を養ってくれたのもオンラインかもしれません。


チャット

システムにもよりますが、今ではほとんどのオンラインコミュケーションについているのではないでしょうか?インパーソンで問いを投げかけても、なかなか反応がないのに皆さん困ったことがあるかと思いますが、チャットだと、ほぼ100%反応がありますし、100人の発言を一気に耳から理解することは不可能ですが、チャットでは目から一気にレビューできます。しかもコピペができる。これって一発で100人のインタビューができるのも一緒ですよね。インパーソンにはないプチビックデーターです。


反応機能

ZOOMにはチャット以外にも、反応機能やバーチャル背景、ホワイトボードなど、いろいろな機能がついています。インパーソンでも、挙手(反応機能)ぐらいだったらできそうですが、プロジェクターでもない限り、お好みの写真を即座に全員でシェアしたり、全員分のホワイトボードを準備するにも限界があります。他のシステムには他の機能があるかもしれませんし、こういった便利機能はこれからまだまだ出てくるでしょう。インパーソンにはない、ティーチングがいろいろ考えられそうです。


最後に

最近ようやくZOOMをコントロールできるようになってきました。その特性を理解すると、どうティーチングに活かせば良いか、どんどん新たなアイディアが湧いてきます。ん?これは野外の指導を始めた時と似ている?

環境の特性を理解して、それを活用するテクニックを身につけて、その環境の強みを活かすことは、まさにオンラインもウィルダネスも一緒です。

また、オンラインから、散々野外で鍛え上げた自分のティーチングにもまだまだ修正の余地が山ほどあることもわかりました。

野外では、だいたいうまくいくパターンがわかってきましたが、全く別の環境のオンラインでは、もう一度教育の原理原則に立ち戻り、方法を構築していかなければならず、初心に立ち戻ることもできました。

これからデジタル社会で、きっとオンラインが当たり前となっていく今、学習の場としてオンラインも、ウィルダネスとの連続性の中に共存するようになってくのではないかと思います。

それが当たり前になった時、ウィルダネスの弱みは、どんどんオンラインの強みに吸収されていくでしょう。

その時こそ、ウィルダネスの独自性と必要性が、本当に理解される時がくるように思います。