LNTチャイナ再訪問

KEENの中国本格進出に伴い、KEENチャイナとLNTチャイナの橋渡しのために、改めてLNTチャイナのオフィスに行ってきました。2025年9月は、3日ぐらい前に、アメリカからL3コースをやってくれって頼まれ、コース前日に成都に到着し、コースが終わったその日に、日本に帰るという強行軍でしたので、ほとんど会社の様子を知ることができませんでした。設立から1年経って、LNTチャイナがどこまで伸びたのでしょうか?共有してみましょう。

オフィス

オフィスは、四川省成都の郊外のオフィスビル群の中にあります。LNTチャイナは、名目上は7つの団体の連合体の体裁をとっていますが、事実上、リードクライムという野外プロバイダーがコントロールしています。リードクライムは、カイラスという中国のダントツトップ(推定年商100億元/2,000億円)のアウトドアメーカーがスポンサーとなっています。つまり、カイラスのサポートを受けているリードクライムがLNTチャイナをサポートしているという盤石の体制です。リードクライムは、カイラスのビルの2階に入り、LNTチャイナはその一角を間借りしている状態です。なんとなくLNTJと似ていますが、スケールが違いすぎますね。BCもどなたか買ってくれないかなあ。

組織

現在、フルタイムが6名で、教務担当が2名、ブランディングが4名という体制です。代表は、リードクライムの社長であるタイガーが務めますが、彼は無償で、事実上の執行代表は、教務担当であり、中国登山協会の役員も務めているウーさんです。彼は、L3の参加者なので、少しはバクマインドが注入できたかもしれません。実はL3のルート計画は彼が担当だったのですが、22名のティーチングが全く収まらず、コース前日にL3に参加するWEAメンバーを集め、ルートを全部立て直すという、初対面でいきなりヒリヒリした関係から始まりました。ただ、よその国の初めての山で、WEAメンバーから情報を収集し、テキパキトリッププランを立てる私をみて、お互い強い信頼関係ができたように思います。

もう一人の教務担当は、エベレストサミッターのフイフイです。彼女はL3コースの事務局として帯同してくれましたが、本当は彼女にL3になってもらいたいぐらいの人材です。そして、彼女のご主人は、WEAのCOE。本人は、まだWEAコースに参加していませんが、WEAに対するかなり強いモチベーションがあります。そしてゆくゆくは?うまくいけば彼女が次の教務主任?めちゃくちゃいい流れです。さらに、リードクライムはWMAのコースを提供しているのですが、水面下でWMTCのイントラを目指しているという情報も。本物にわかってもらえて光栄です。

ブランディンチームのリーダーのアマンダは、定期的に行われるLNTのブランチ会議でたびたび一緒になるので、知った仲です。彼は英国育ちで、英国の映像制作会社キンドルのアジアパシフィックリジョンのマーケティングディレクターという顔も持ちます、LNTチャイナのブランチ窓口、ブランディングのリーダーにもってこいの人材です。そしてその実績が買われてか、純愛かは定かではありませんが、LNTC代表のタイガーを射止めたのは、中国の野外業界では有名なお話。

これだけのタレントを雇えるのも、リードクライムという会社が、万が一の時の人事の流動性を保証していることと、なんといってもカイラスという超ビッグスポンサーがLNTチャイナを支えているからこそ。LNTJも一人でいいからフルタイムを採用できれば、ゲームチェンジできそうな気がするのですが。

メンバー

2025年9月に22名を対象に、L3コースを行いました。規定では12名ですが、アメリカが、LNTの最大マーケットになるであろう中国に忖度したのでしょうか?そのおかげで、テントサイトは移動せずに同じ場所で、ティーチングは一人15分、フィードバックもほとんど、俺と相方のユンジェからのみと、本当に申し訳なるくらいお粗末なコースでした。彼らの野外スキルも評価できず、彼らがL2コースをできるのだろうかと、今でも心配です。ただ、中には、WEAのCOL、COEが7名いますので、彼らがうまく育成してくれることを祈ります。

とはいえ、LNTチャイナのスタートダッシュはすごかったです。1年でL2コースを20コース行い、現在L2は111名です。L1は802名、訪問した2026年10月現在では1000を超える予想とのことです。たった1年でLNTJの4年分を抜かれてしまいました。

L2がこれから数年毎年100名のペースで養成され、そのL2が1年目同様にL1を平均10名ずつ出したら、2027年は3000名、2028年は6000名、2028年に10000名とも試算できます。メンバーだけで言ったら4年でアメリカを抜きます。

2年目に入り、1000名のL1がどの程度会費の更新をするのか。そして2027年には最初のオンライン更新コースがあるので、どの程度リサートするのか、彼らの手腕を楽しみに見ていたいと思います。

活動

活動の軸は、コース&ワークショップ、SNS動画、スポットライト、ネットワークの4本柱でした。以下特に、SNS動画とスポットライトについて。

LNT動画にいては、LNTJでもスタートダッシュは頑張りましたよ。チャンネルの動画数111本、登録者数893人😭。属人的な作業のこれが限界でしょうか。現在SNSマーケティングについて、見直し中です。

一方、LNTチャイナでは、中国のSNSであるWeChatで、現在30本のショート動画をアップ済み。登録者は、7000人とあっさり抜かれています。確かにWeChatのフォロアーは13億人に対し、日本語のYouTube見る人なんて、7000万人なので、桁が違うっちゃ違うのですが、素直に見習いましょう。

ちなみにLNT_USは、YouTubeのショート動画なので皆さんも見ることができます。また、LNTアイルランドのインスタは、世界一回っているLNTのSNSです。

次にスポットライトは、この1年でなんと80箇所とのことです。ええええっなんでそこまでできるの?って感じですが。日本では2箇所がせいぜい。規定通り、ワークショップの経費はLNTCの持ち出しだし、ワークショップ以外の活動もやっているようですが、本当に環境改善のためのプログラムになっているの???です。ただ、これだけやれば、一気にLNTの認知度も自治体や自然公園に広がりますし、任されたL3やL2もやりがいを感じるでしょう。LNTJも質と量のバランスを見直す必要があるのかもしれません。

まとめ

裸一貫財源ゼロで始まったLNTJと、カライスという巨大アウトドアメーカーと、それをつなぐリードクライムという組織の中にあるLNTCでは、なかなか比較はできませんが、LNTCオフィスを訪れて、改めてLNTJが見習うべき点を感じました。

質から量へ

質と量は時として、諸刃の剣となりますが、普及段階であることを考えると、もう少し量も視野に入れる必要があるかもしれません。L2コース20本、スポットライト80箇所は、私の経験から尋常な数ではありません。一方で、一度形骸化してしまったLNTや、質の伴わないL2が生まれてしまうと、長期的に見るとその国のLNTの大きな損失になるという考えはまだ捨てきれません。質をしっかりシステムで補い、量を打っていかないとビジネスにはなりませんよね。

まずはコピー

アメリカのLNTは30年の歴史があり、おそらくLNTJが今抱えている問題と同じような問題を乗り越えてきた30年でしょう。現在の彼らのプロダクトには、それを超えてきたヒストリーがあります。LNTJは、彼らが作ったプロダクトを堂々と利用することができます。ロゴにしろ、SNSにしろ、各種連携プログラムにしろ、もっと楽にコピーして使っていくマインドも必要なのかなっと感じました。LNTCのSNSも、ほぼUSのパクリです。ただその国の人にとっては新鮮で十分価値があるのです。

フルコミットのブランディングスタッフを

多くの学協会が、無償の理事陣で運営されていますし、そのような世界で育ってきてしまいました。ただ、ここから先は、片手間でできる世界ではありません。LNTCの洗練されたブランディング戦略を見ていると、常にPDCAを回し、地道に日々の発信ができるスタッフの重要性を改めて感じました。戦略はおそらく、現在の理事陣で練れるように思います。週1、テレワークでもいいので、早急に検討に入りたいと感じました。

ちなみに

世界最大の野外教育の研究組織である、AEEのアジア&パシフィックブランチの2027カンファレンスは、実は今回訪れたリードクライムのオフィス街で行われます。また、私が関わることとなった研究集会であるSEERも、多言語での発表が可能となるように準備しています。なかなか英語での発表や、発表内容の理解がハードルとなっていた国際カンファレンスですが、せっかく、中国のLNTのど真ん中の地で、おそらく全国のLNT指導者が集まるであろうカンファレンスで、初めての国際カンファレンスデビューをしてみませんか?2027年9月下旬です。

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野外指導者必須スキルについて詳しく知りたい方は、アウトドアリーダー・デジタルハンドブックを参考にしてください。

本格的に野外指導を勉強し、指導者を目指したい方は、Wilderness Education Association Japanのサイトをご覧ください。