ハイキング

1.歩き方

1.1.正しい歩き方の意義
1)体温上昇を抑える
2)乳酸生成を抑える
3)筋肉へのダメージの低下
4)運動の継続
5)エネルギーの節約
6)精神衛生
7)高山では酸素消費

1.2.呼吸
1)運動と呼吸を同調される(例:ステップ、パドリング)
2)呼吸が運動のリズムより上がったら負荷を落とす
3)運動のリズムが上がったら呼吸もあげる

1.3.ペース
1)通常の会話ができる速さ
2)1日中、小休止を入れながら活動できる負荷
3)一番遅い人を隊列の2番目にしてその人のベースに合わせる
4)呼吸数の上昇は酸素不足のサイン
5)過度の発汗はオーバーヒートサイン

1.4.休憩
1)目安として1時間に1回、5-10分
2)疲労する前
3)水、エネルギーの補給
4)ランドマーク(分岐点、地形)
5)TCPとの比較
6)水の補充
7)トレイルから外れる

1.5.登り
1)まっすぐに立つ
2)小さめのステップを選ぶ
3)つづら折れ
4)レストステップ(膝カックン)
5)ブーツの足首を少し緩める
6)ストックは短く

1.6.下り
1)膝を軽く曲げて着地する
2)後ろに体重をかけない、やや前かがみ
3)小さなステップを選ぶ
4)ブーツの足首をしっかり締める
5)ストックは長く
6)ストックを先について体重を保持してから着地する

1.7.隊列
1)1列を原則とする
2)先頭は体力のある人
3)2番目以降から遅い人の順
4)遅い人を隊列の最後尾にしない
5)リーダーは全体を把握しやすい場所
6)危険箇所ではリーダーが先頭に立ち、通過方法を判断する

1.8.トレイル上での他のビジターへの配慮
1)あいさつ、情報交換
2)自分たちが早ければ先に行かせてもらう
3)自分たちが遅ければ先を譲る
4)登りが優先
・落石
・視界
・ペース
5)ペッスセター、スイーパーがコミュニケーションをとる

2.ハイキングロール
1)リーダー
・休憩のタイミング、場所
・隊列、役割
・ルート決定
2)ペースセッター
・ペース
・ステップの選択
・前方のビジターとのコミュニケーション
3)ナビゲーター
・現在地同定
・ルート情報
4)ロガー
・時間の記録
・TCPとの比較
5)スイーパー
・隊列の観察
・メンバーの観察
・後続のビジターとのコミュニケーション
6)スカウト
・ルートファインディング
・わかりづらい場所では先頭

3.緊急時の対応

3.1.落石
予想される事故:外傷
1)落石を起こさないように注意して歩く
2)もし落石を起こしたら「ラーク(落)」と叫ぶ
3)「ラーク」という声が聞こえたら必ず山側を注視する
4)切り立った岩場の場合には岩に貼りつく

3.2.道迷い
予想される事故:遭難
1)わかるところまで戻る
2)全体で動かずに、スカウト数名にルートファインディングをしてもらい、情報収集をしてからリーダーが決定する。
3)道のわかりにくところでは、スカウトが先行し、道を確認してから進む。

3.3.オフトレイル(ヤブ/霧)
予想される事故:道迷い
1)目的の方角に目標物を決める(大木、大岩)
2)その目標物まで進む
3)目標物についたら、また新たに目標物を決め、これを繰り返す。
4)コンパスのみを見ながら進むとリングワンデリングの原因となる

3.4.危険箇所の通過
予想される事故:外傷
1)鎖場、はしご、ガレ場、崖の下、仮設の橋
2)一人ずつ通過する
3)三点支持
4)ショートロープ、フィックスロープ

3.5.残雪
予想される事故:滑落
1)直登はキックステップ
2)直滑降はヒールステップ
3)斜め上トラバースは谷足谷向き
4)斜め下トラバースは谷足谷向き
5)アイゼン、ピッケル
6)滑落停止
7)グリセード

3.6.落雷
予想される事故:落雷障害
1)尾根から外れ落雷が通過するのを待つ
2)もし拓けた場所で落雷の中移動する以外に選択肢がない場合
・前後の人と20-30m間隔をとり歩く
・定期的に先頭から最後尾まで番号をかけていく
・拓けたオフトレイルでは横に広がる
3)詳しくは野外救急法を参照

3.7.渡渉
予想される事故:溺れ、外傷
1)川が広く、深く流れのゆるところを選ぶ
2)2人組
3)3人組
4)スクラム
5)バックパックのバックルを全て外す

3.8.靴ずれ
予想される事故:創
1)ソックスを重ねて履く
2)ゆとりのある登山靴
3)靴紐の調整
4)足の裏全体を使って歩く
5)足、靴下の乾燥
7)ホットスポットのケア
8)ガムテープ
9)靴ずれパッド