1.リスクの概念
1)リスク:身体的、社会的、心理的ダメージの可能性、危険性(=ボギー)
2)ハザード:リスクを高める要因、危険因子(=バンカー)
3)ペリル:コントロールを誤るとアクシデントになる状態、危機状態(=バンカーに入る)
4)インシデント:受け入れることが可能なダメージ、ヒヤリハット、Accident Near Miss、Close to Call(=チップイン)
5)アクシデント:具体的な身体的、社会的、心理的ダメージ、事故(=ダブルボギー、トリプルボギー)

2.ハザード
1)環境的危険因子
・動植物
・地形
・天候
・水・雪
2)人的危険因子
・知識・技能
・認知・判断
・心理・感情
・健康・体力
3)リスクのコントロール
環境的危険因子↑→人的危険因子↓
人的危険因子↑→環境的危険因子↓

3.リスクの評価
3.1.シグナルモデル
1)損害の大きさ
2)遂行可能性
3)緑:実行
4)黄色:バックアップをとって実行
5)赤:中止

3.2.リスクマップ
1)リスク=発生頻度×損害の大きさ
2)発生頻度
ほぼ確実に発生する
可能性がある
いつか発生する
いつか発生する可能性がある
発生するかどうかわからない
3)損害の重大性
死亡
負傷者多数
治療を要する負傷
応急処置で対応できる負傷
処理する必要はない
4)リスクマネジメントの優先順位
①発生頻度大/損害大→損害小
②発生頻度大/損害小→頻度小
③発生頻度小/損害大→損害小

3.3.リブラモデル
1)危険因子の同定
2)安全因子の同定
3)リスク評価
レベル1:安全因子が十分に上回っている
レベル2:安全因子がやや上回っている
レベル3:どちらでもない
レベル4:危険因子がやや上回っている
レベル4:危険因子がかなり上回っている

4.リスクマネジメント
4.1.リスクマネジメント4原則
リスク=ダメージ×頻度
1)リスクの排除:リスク自体をなくす
2)リスクの分散:リスクをメンバーで共有し、ダメージ、頻度を分散させる
3)リスクの最小化:ダメージ、頻度をできる限り小さくする
4)リスクの保有:リスクをそのまま受け入れ、コントロールする
4.2.公認基準(AEE, 2000)
1)リスクマネジメントの方針と手順
2)緊急時対応
3)リスクマネジメント委員会
4)年次報告書と改善計画
5)リスクマネジメント検査
6)参加者とスタッフの健康診断
7)特定の環境・活動における健康管理
8)リスクの説明
9)参加同書
10)保険
11)飲酒・薬物の方針
12)緊急時医療手順
13)捜索・救助の手順
14)避難の手順
15)医療機関への連絡先
16)緊急時の捜索・救助・避難の装備
17)参加者の緊急時の避難のスキル
18)スタッフレシオ
19)書類の管理と閲覧
4.3.アンブレラモデル(WMTC, 2015)
団体
1)業界基準/公認
2)参加同意書
3)顧問医師
4)資格
5)SOAP
6)マニュアル作成
個人
1)資格
2)スキル
3)SOAP
4)マニュアル準拠

5.リスクに関する諸理論
5.1.ハインリッヒの法則
1)5000件
2)バードの法則(US175万件)
ニアミス600
物損事故30
軽傷事故10
重大事故1
3)タイ=ピアソンの法則(UK100万件)
ニアミス400
物損事故80
応急処置50
軽・中傷事故3
重大事故1
※対象、国より比率は異なるため野外に当てはめるのは限界がある。

5.2.リスクホメオスタシス
1)前提
・人はベネフィットを得ようとする
・ベネフィットを得るためにはリスクを冒す必要がある
2)代償作用
・システムの向上により、リスクが低下
・リスクの低下により、より高いベネフィットの追求(=リスクテイク)
・結果としてリスクは変わらない
3)必要なリスクマネジメント
・教育
・バックアップシステム
・制度
