グループダイナミクス

1.グループダイナミクス

1.1.集団成熟段階(Tuckman, 1965)
1)Forming(形成段階)
・個の集合体
・リーダーに依存
・緊張・不安・遠慮・ぎこちない
2)Storming(葛藤段階)
・価値観、スキルにギャップ
・競争的・批判的
・苛立ち・葛藤・不満・離脱
3)Norming(統一段階)
・合意形成
・他者とのギャップの受容
・安定・信頼・役割認識
4)Performing(成熟段階)
・自己実現
・機能的・協働的
・誇り・統制感・至高体験
5)Transforming(転移段階)
Deforming(再葛藤段階)
・高次な課題によりそれまでの集団機能では解決困難
Reforming(再形成段階)
・メンバーの交代、追加により、新たな人間関係を形成
Adjourning(解散段階)
・グループが解散し、メンバーが離散する状態

1.2. リーダーの役割
1)Forming(形成段階)
・目標設定
・情報提供
・関係性の構築
・ラポール形成
2)Storming(葛藤段階)
・葛藤の統制
・専制的にならない
・課題解決をしようとしない
・傾聴
3)Norming(統一段階)
・目標達成のためのプロセスを確認
・集団決定に参加
・動機付け
4)Performing(成熟段階)
・集団に決定を移譲
・見守る
・賞賛
5)Transforming(転移段階)
・集団成果をふりかえる
・将来に対するビジョンを与える
・将来に対する不安のケア

2.コラボレーション

2.1.4つの協働的タイプの理解


IdeasPeopleProductProcess
協働への貢献・アイディア ・リスクテイク ・柔軟性 ・カオスの受容 ・イニシアティブ・感情理解 ・関係づくり ・集団雰囲気 ・居場所づくり ・メンバーのケア・結果の質 ・課題遂行 ・遂行意欲 ・知識・情報・計画・組織化 ・丁寧・詳細 ・手順 ・慎重
協働の阻害・ルール・計画の無視 ・目的を見失う ・細かいことを気にしない ・アイディアを押し付ける ・激情的・優柔不断 ・人間関係が深まらない ・効果よりも人間関係優先 ・意思表示をしない ・リスクテイクをしない・一人で作業をする ・作業の意味を考えない ・人間関係より結果を優先 ・無駄が苦手・計画変更が苦手 ・ルールを最優先 ・頑固 ・カオスを耐えられない
YES・Maybe ・他のアイディがあれば変更・Maybe ・他の人の意見があれば変更・Yes ・Noを受け入れない・Yes ・基準、ルール、計画に照らし合わせる
NO・NO ・すでに自分のアイディアある・Maybe ・基本的にはNoと言わない・No ・Yesを受け入れない・Maybe ・基準に合えばYes
協働方法・意見を聞く ・同意してもらいたいアイディがあったら、彼らに売る ・反対をしない・合意形成を図る ・同意してもらいたいアイディがあったら、誰が賛成しているか知らせる
・具体的な課題、問題を言う ・具体的な作業、目標を依頼する ・時間を節約する
・明確な計画を示す ・作業を点検する時間を作る ・ルールの中で判断、行動する

2.2.チームビルディング
1)リーダー
・自己の協働的タイプのメタ認知
・メンバーの協働的タイプの認知
・メンバーに適した協働方法、役割分担
2)グループワーク
・グループダイナミクスの理解
・フルバリューコントラクト
・協働作業
3)ふりかえ
・メンバーの協働的タイプの理解
・自己・メンバーの強み・弱みの理解

3.クライシスマネジメント

3.1.クライシスとは
1)ストレス:ストレッサーが原因でおこる心理的・身体的負荷
・自然環境
・社会環境
・冒険活動
・態度変容/自己成長
2)コーピング:ストレッサーに対する認知的、身体的適応
3)クライシス:ストレスコーピング時に生じる心理的抵抗
・グループダイナミクスの葛藤段階
・心理的抵抗→言語的・身体的暴力

3.2.介入方法
1)ラポールの形成
2)ストレッサーからの隔離
3)感情の傾聴、表出
4)クライシスの分析、出来事の価値の理解
5)活動、グループへのリカバリーの支援

3.3.アクティブリスニング(積極的傾聴)
1)無条件の肯定
2)自己の一致
3)共感的理解
4)パラフレーズ
5)声のトーン・目線・表情
6)座る位置
・正面もしくは斜め前:一般的傾聴
・横もしくは隣:メンタルケア

3.4.クライシスS/Sx
・集団の会話、意思決定に参加しない
・メンバーとの人間関係の形成、活動参加に興味がない
・可能な時は一人になりたがる
・グループメンバーから避けられる
・定期的に不安、おびえが現れる
・すぐに怒ったり、不適切な批判をする
・会話が散漫で、不自然にゆっくり、もしくはとりとめなく話す
・悲しさ、不幸せを訴え、突然泣き出す
・食欲がない、もしくは食べすぎる
・他のメンバーが異常であると押し付ける
・日々の行動を突然、予期せず変える
・妨害的な行為
・不自然な心理状態
・メンバー、スタッフと葛藤状態が続く
・理性を欠いた行動が続く
・原因のわからない身体的問題を訴え続ける
・日々の課題や活動に参加することができない