1.ロープの素材、種類
1.1.ロープの素材
緩衝 | 耐水 | 耐UV | 耐酸 | 耐アルカリ | 軟化 | 溶解 | 用途 | |
ナイロン | ◎ | △ | ○ | × | ◎ | 180℃ | 215℃ | クライミング |
ポリエステル | ○ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ | 230℃ | 250℃ | 工業/テント |
ポリプロピレン | ○ | ○ | △ | ◎ | ◎ | 140℃ | 160℃ | 装飾/結束 |
ポリエチレン | ○ | ◎ | ○ | ◎ | △ | 100℃ | 125℃ | 農園芸 |
綿 | × | × | ◎ | × | △ | N/A | 275℃燃焼 | 結束/祭事 |
麻 | ○ | △ | ◎ | × | △ | N/A | 275℃燃焼 | 農園芸 |
1.2.ロープの編み方
1)三つ打(3本)
・滑りにくい
・キンクしやすい
2)金剛打(12本)
・しなやか
・キンクしにくい
3)ブレード打(16本)
・正面の抵抗↓
・キンクしにくい
4)ブレード打(32本)
・16ブレード打が内心
・強度
・しなやか
・キンクしにくい
1.3.ロープの管理
1)日光を避ける
2)冷暗、乾燥
3)化学薬品を避ける
4)踏まない
5)コイル巻き
6)中性洗剤で洗浄
7)角に当てない
2.ロープワークの基礎
2.1.ロープワークの3原則
1)簡単に結ぶことができる
2)解きたくないときは決して解けない
3)解きたいときに簡単に解ける
2.2.ロープワークの4要素
1)ノット:ロープ上の動かない独立した結び目
2)ベンド:2本のロープをつなぐ
3)ヒッチ:何かに結びつける
4)テンション:テンションを調整できる
2.3.ロープワークの用語
1)バイト:曲がり
2)ループ:輪
3)ワーキングエンド:ロープの端
4)スタンディングエンド:ロープの元
3.各種ロープワーク
3.1.オーバーハンドノット(止め結び)
1)概要:基本的なノット、”Knot that ties itself”
2)使用:ストッパー、ロープの端が解けるのを防ぐ
3)強み:簡単に結べる
4)弱み:使用の限界、テンションがかかると解きにくい
3.2.オーバーハンドループ(二重止め結び)
1)概要:ロープを2重にしてオーバーハンドをする
2)使用:ロープの端にコブを作りたいとき
3)強み:簡単に結べる
4)弱み:テンションがかかると解けにくい
3.3.エイトノット(八の字結び)
1)概要:ロープに結び目を作る
2)使用:それ自体での用途は少ない、二重八の字結びと併用
3)強み:簡単に結べ、簡単に解け、テンションがかかっても解ける
4)弱み:使用の限界
3.4.ボーラインノット(もやい結び)
1)概要:ロープの端に大きさの変わらないループを作る
2)使用:アンカーへの結索、船のもやい、係留
3)強み:汎用性”King of Knot”
4)弱み:安全の限界、クライミング
3.5.スクエアノット(本結び)
1)概要:ベンドに用いる基本的なノット
2)使用:リスクの少ないベンド(包帯の末端、梱包など)
3)強み:簡単に結べ、簡単に解ける
4)弱み:異なった素材、太さのロープ、安全の限界
3.6.フィッシャーマンズノット(てぐす結び)
1)概要:ベンドに用いる汎用性の高いノット
2)使用:クライミングロープ、釣り糸
3)強み:異なった素材、太さのロープ、安全
4)弱み:テンションがかかると解けにくい
3.7.ハーフヒッチ(ひとえ結び)
1)概要:オーバーハンドノットで物に結びつける
2)使用:単体で使うことは少ない、ダブルハーフヒッチと併用
3)強み:簡単に結べ、簡単に解ける
4)弱み:それのみでの使用に限界
3.8.ツーハーフヒッチ(ふたえ結び)
1)概要:ハーフヒッチの後、ロープの元にもう一度ハーフヒッチ
2)使用:汎用性の高いヒッチ
3)強み:簡単に結べ、使用に耐え、簡単に解ける
4)弱み:重たいもの、安全の限界
3.9.クローブヒッチ(巻き結び)
1)概要:ロープを主に円柱上のものに結びつける
2)使用:ロープをものに結びつけるとき、木、ポール、バックの口3)強み:簡単に結べ、簡単に解ける
4)弱み:テンションの方向によっては緩む、ロープの直径の10倍上の直径のものには効果がない、結びつけるものは円柱
3.10.トウラインヒッチ(自在結び)
1)概要:ロープをものに結びつけ、長さを調整する
2)使用:長さやテンションを調整したいとき、腰綱、タープ
3)強み:長さを変えられる、簡単に解ける
4)弱み:結びつけるものの直径が必要、緩む、安全性
3.11.トラッカーズヒッチ
1)概要:ロープをものに結びつけ、ロープにテンションをかける
2)使用:高いテンションを得たいとき、親綱、タープの梁、積荷
3)強み:安全、解きやすい
4)弱み:スライド部分のロープの摩擦、結び目を間違えてテンションがかかると解きにくい
3.12.フィギアエイト・オンアバイト(二重八の字結び)
1)概要:ロープを2重にしてエイトノットをする
2)使用:ロープの端に輪を作りたいとき、クライミング
3)強み:安全、テンションがかかっても解ける
4)弱み:物、ハーネスに結びつけるとき複雑
3.13.インライン・フィギアエイト(一方向八の字結び)
1)概要:ロープの途中に一方向のループを作る
2)使用:フィックスロープの手がかり、縄ばしごのステップ
3)強み:安全、解きやすい
4)弱み:一方向性
3.14.バタフライノット
1)概要:ロープの途中にループを作る
2)使用:フィックスロープのランニングへの設置、縄ばしご
3)強み:安全、解きやすい
4)弱み: 慣れないと結びにくい
3.15.ムンタヒッチ
1)概要:ビレーディバイスの代わりとして
2)使用:ビレー、ロアーダウン、懸垂下降
3)強み:簡便、汎用性、緊急時
4)弱み:ロープの消耗、キンクしやすい、抵抗力が低い
3.16.マッシャー(オートブロック)
1)概要:一方向への摩擦を得たいとき
2)使用:バックアップ
3)強み:設置が簡単、汎用性
4)弱み:摩擦抵抗が弱い
3.17.プルージック
1)概要:双方への摩擦を得たいとき
2)使用:バックアップ
3)強み:両方向性、汎用性
4)弱み:摩擦抵抗中、キンクしやすさ中
3.18.クレムハイスト
1)概要:一方向への摩擦を得たいとき
2)使用:自己脱出、引き上げ
3)強み:摩擦抵抗が高い
4)弱み:キンクしやすい
3.19.バックマン
1)概要:一方向への摩擦を得て、ノットの移動頻度が高いとき
2)使用:アッセンダーとして
3)強み:キンクしない
4)弱み:摩擦抵抗が低い