Mission, Vision, History & Pedagogy

ミッション

私たちのミッションは、野外救急法及び野外リスクマネジメントに関して、質の高い、野外救急法コース、テキスト、教材を提供することです。

ビジョン

私たちのビジョンは、すべての野外リーダーが(ビジネスでもプライベートでも)、メンバーの傷病を適切に予防、評価、処置することのできる、野外救急法とリスクマネジメントのスキルを持った野外の世界をつくることです。

ヒストリー

Wilderness Medicne Training Center:WMTCは、1997年にポール・ニコライゾによって設立され、2008年にワシントン州で会社法人化しました。彼は、35年にわたる冒険環境での野外指導と指導者養成の経験に基づき、それまでの救助や応急処置よりも、より野外指導者にふさわしい方法があると考え、WMTCを設立しました。その後も、今日の野外指導者に適した教育法、教材、カリキュラムの検証と改良を重ねています。WMTCの本部は、ノースカスケード山脈の入口にあるワシントン州マザーマにあり、野外救急法のコースの提供や指導者養成、教材、テキスト開発、野外救急用品の販売を行っています。

日本国内で、最初のWMTCコースは、2016年3月に、茨城県つくば市において、岡村泰斗のリードインストラクトのもと行われました。彼は、2015年9月〜10月にかけ、WMTC本部で行われたインストラクターコースに参加し、独自にWMTCコースを開催できるライセンスインストラクターの資格と、それらのコースの主催団体となることのできるライセンスオーガニゼイションの資格を彼が代表を務めるbackcountry classroom Inc.が取得しました。同団体は、同年、国際的な野外教育指導者養成を行い、その資格の必須条件としてWFRが義務づけられているWilderness Education Association:WEAのコースを国内で提供するWEA Japan:WEAJと、連携協定を締結し、WEAの質の高い指導陣で、野外救急法コースの国内提供を行っています。

教育方法

野外救急法の理解は、すべての野外指導者、野外管理者にとって必要です。野外救急法コースは、生徒の野外プログラムに潜むリスク認知を高め、それらを予防するための教育と洞察力を提供します。同時に、万が一の傷病に備え、それらを正しく評価し、処置するスキルを提供します。

実践的なカリキュラムは、生徒のスキルの理解、記憶、活用に役立ちます。私たちは生徒が、野外で最もよく遭遇する傷病に焦点を当て、それらの予防、評価、処置のスキルを、現実的なシミュレーションを通じて指導します。デジタルハンドブックは、コース中や生徒の実践で役立つ情報を提供します。

傷病メカニズム(MOI)の考え方に基づくことにより、傷病者の症状と兆候(S/Sx)を分析し、正確な傷病評価ができます。野外での正確な傷病評価は、適切な処置の選択と、避難の緊急性があるのか、ないのか正しく判断できます。野外でのほとんどの傷病は、外傷、環境、疾病が原因となるものに分かれます。外傷と環境が原因となる傷病の予防、評価、処置は、それら特有の臨床パターンがあるため、疾病に比べると明確に判断できます。そのため、WMTCのカリキュラムや教材は、MOI:外傷、環境、疾病に分けて開発されています。特に疾病に関しては、野外での評価と処置に役立つ、デジタルハンドブックの開発に力を入れています。

傷病の病理学を学習する前に、基礎的な解剖学と生理学を学習することにより、生徒は単なる「買い物リスト」に基づくのではなく、傷病のメカニズムを理解して、正確な評価と処置ができます。これらを理解するために、デジタルレクチャーでアニメーションを用いたり、実物大の骨格模型、人体模型を用います。アニメーションは、生理学、病理学の理解を助け、骨格模型と人体模型は、人体の三次元の構造による理解を促します。

傷病のケーススタディや、現実的なシミュレーションにより、幅広いスキルと、ストレス環境下での論理的思考力を養います。スキルの維持、向上は、野外での実際の事故の分析と、それらの繰り返しの経験に基づきます。医師は、豊富な臨床経験により、彼らの診断と治療の技術を向上、維持します。ところが、野外指導者は、そのような実際の評価と処置のケースを積み重ねることが困難です。そこで、ケーススタディにより、さまざまな状況や傷病に対する理解を深め、シミュレーションによって、実践的なスキルの獲得し、「現場の目」を養います。WFRコースでは、ビデオ動画を用いて、徹底的に論理的思考力の訓練を行います。

WMTCのカリキュラムは、野外救急協会(WMS)と、全米救急救命医協会(NAEMSP)のガイドラインに沿って、指導されています。また、WFAとWFRの基準を示した野外救急法の実践ガイドライン(SOP)に批准しており、WMTCの代表はSOPの作成メンバーの一人です。

野外救急法は、野外経験の乏しい医師よりも、医療訓練を受けた野外指導者、野外教育によって指導されるべきです。野外での指導経験は、現場のリーダーシップや判断力を養います。いずれも、現場での医療的な処置や、避難の決定、実施に必要な能力です。