野外遠征研修

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研修の特性

大自然がツール

野外教育とは、特定の教育目標を達成するために、登山や野外生活を「手段」として用い、その特性を最大限に活用する教育活動です。 大自然の中で活動・生活するためには、非日常環境で解決しなければならない認知的課題、集団生活を維持するための社会的課題、移動生活を支える身体的課題、これらのストレスをコントロールする心理的課題など、さまざま課題を「教材」として、複合的に用います。また、自然の普遍性は、これらの課題解決を必然とし、自然の畏怖は、その変化を府に落とし、自然の美は、その変化のストレスを癒す、重要なツールとなります。

野外は社会の縮図

野外教育では、一般的に特定の期間(時間、日数)を決めて行われます。その一定の期間内に、グループはさまざま課題解決を通じ、集団葛藤と成功体験を重ねていくことで、集団凝集性や集団機能が向上し、集団が成熟していきます。日常の社会集団(例えば会社など)において1年間で起こる個の成長、集団成熟が、たった数日間で起こる特性があります。

リスクが教材

野外教育は、大なり小なり様々なリスク(潜在的危険因子)が存在します。野外教育では、これらの計画的、現実的なリスクを、グループの意志決定力、問題解決力の重要な教材として活用します。指導者は、グループの能力と、もたらされる結果の重大性のバランスを考慮し、リスクマネジメントのための介入の程度を決定します。

指導者はカウンセラー

野外教育の指導をカウンセラーと呼び、グループに1名つきます。カウンセラーは、グループが自立的に研修の目的を達成するために、参加者能力、グループ成熟、自己の能力、環境的負荷、事故発生時の結果の重大性の5つの観点で介入の程度を調整します。インストラクターやガイドのように、参加者に解決策を教示したり、山行をリードしません。

期待される成果

野外研修はカリキュラム、指導法をカスタマイズすることにより、多くの成果が期待されます。以下代表的な例です。

集団での課題解決におけるリーダーシップ

小集団による課題解決を特性とするためい、目的達成のための集団による合意形成や、ストレス化で集団をまとめるための集団維持能力など、メンバー全員に、リーダーシップスキルが求めらます。また、計画的にリーダー役を決めるなどし、体系的にリーダーシップを育成することもできます。

脱予定調和による問題解決力・意思決定力

野外教育では、事前の計画と準備がたいへん重要ですが、その計画が予定通りに行くことはほとんどありません。その都度、新たに起こった問題に対し、時間、天候、地形なのどの物理的要因や、自分たちの能力、技術、健康状態などの人的要因を総合判断し、決断を下していかなければなりません。このプロセスを何度も繰り返すことによって、参加者は体験的に、問題解決力や意志決定力の精度を高めていきます。

コミュニケーションの質の変化

野外教育は、小集団で、さまざまな課題を解決するだけでなく、24時間寝食を共にする運命共同体となります。その過程で、必然的に価値観の違いや、生活スタイルの違いなど、さまざまな葛藤が生まれます。日常社会ですと、ストレスを感じたら自発的にその集団から離れることも可能ですが、野外場面では、いかなる場面でもこの小集団から離れることはないので、この不調和を解決しないと、野外生活を維持していくことができなくなります。その結果、参加者の人間関係やコミュニケーションが劇的に向上します。

特徴的なアプローチ

SPEC

Student-Centered(参加者中心)、Problem-Based(問題解決型)、Experiential(体験的)、Collaboration(恊働的)を企画、指導の原理としています。参加者自ら自分達に最適な課題を設定し、体験的、協働的に学習目標にアプローチする、とてもパワフルな教育原理です。

LOD

Leader Of the Dayという日替わりリーダーシステムを原則としています。リーダーは、その日の活動のすべての意思決定と結果の最終責任を負い、一日の終わりに参加者からフィードバックを受けます。これを毎日繰り返すことにより、研修が進むにつれ、メンバー全体のリーダーシップスキルが劇的に向上します。

ファイナル遠征

登山遠征の最終段階に、参加者自らが登山ルートを決定し、自立して山行する最も教育効果が高い遠征形態です。選択方法には、1)計画的なコースから選択する、2)グループでコースを選択する、3)参加者全員で複数のコースを決定し選択する、などいくつかの方法があります。指導者もできる限り不介入で行われるため、問題解決力、判断力、危機対応力、責任感、自己効力感などを包括的なスキルを獲得することができます。

モデルプログラム

1泊2日

2泊3日

3泊4日

個人で準備するもの

★弊社で貸し出し可能です。
☆弊社取引業者からレンタル可能です。

バックパック(60㍑)
登山靴(ハイカット)
スパッツ
地図
コンパス
シュラフ
ロールマット
ヘッドランプ
レインウェア
着替え一式(日程に応じて)
防寒着(場所、季節に応じて)
帽子
軍手
タオル
食器
保温カップ
スプーン、フォーク
水筒(1㍑)×2つ
テントサイト用シューズ(底の柔らかい運動靴等)
ビニール袋(60㍑以上)×3