自然体験活動指導者ポリッシュアップ研修実施要項

この度は、国立花山青少年自然の家主催自然体験活動指導者ポリッシュアップ研修にお申し込みいただき心から感謝いたします。主任講師を務めさせていただきます岡村泰斗と申します。この研修が皆様にとってより有意義な学びとなりますよう、研修の準備についてアナウンスさせていただきます。

1.前 提
1)自然体験活動指導者という明確な定義がないため、私の力量ではカリキュラムの範囲の同定に限界があります。そのため、野外教育指導者の国際基準であるWilderness Education Association(WEA)のカリキュラムの一部を、NEALインストラクー概論のカリキュラムに当てはめて提供させていただきます。ただし、本研修においては時間的な限界から全ての単元においてWEAの基準を満たすことはできません。よって、本研修が、今後WEA資格に単位互換はできません。
2)本研修は、自然体験活動指導者(リーダー)資格を取得している方の参加が前提となります。よって、基礎的な野外生活技術、安全管理技能、野外指導法を習得されている状態として指導を行います。当該資格取得後、スキルの維持に不安のある方は、十分に事前学習を行い、ご参加ください。
3)本研修は、都市救急のプロトコルの及ばない野外状況下で行います。よって、参加者全員は野外救急法の資格を有していることが前提となるべきです。ただし、日本の野外指導者養成において、活動に応じた救急法が未だ必須とされていない現状において、野外救急法を前提とすることの限界もよく理解いたします。よって、みなさんが取得する救急資格に応じて、安全上の理由により、本来獲得すべき学習成果を維持できないこともご理解ください。

2.参加者
中島崇(山田町地域おこし協力隊)
野村華純(北海道教育大学岩見沢校)
佐藤優人(国立曽爾青少年自然の家)
岩谷香(国立那須甲子青少年自然の家)
高橋旺子(国立那須甲子青少年自然の家)
蓮見直子(国立那須甲子青少年自然の家)
星野雄哉(国立花山青少年自然の家)
高橋涼(国立花山青少年自然の家)

3.スチューデントティーチング:
以下の単元の15分程度の模擬授業を行います。指導内容は単元を網羅する必要はありません。全ての授業は、野外指導法の原理であるSPECモデルにより評価します。授業に必要な基礎的な教材は主催団体の責任で準備しますが、特殊な教材(例:たき火台、ベアキャニスターなど)をご計画される方は、各自の責任でご準備ください。

【野外生活技術】
服装の選択(中島)
食料計画、食料パッキング(野村)
バックパックパッキング(佐藤)
ロープワーク、タープ(岩谷/蓮見)
テントサイトセレクション(高橋旺)
火器の取り扱い、調理法(星野)
食事の片付け(高橋涼)

【Leave No Trace】
LNT原則1事前の計画と準備(高橋涼)
LNT原則2影響の少ない場所での活動(中島)
LNT原則3ゴミの適切な処理(山のトイレ)(野村)
LNT原則4見たものはそのままに(佐藤)
LNT原則5焚き火の最小限の使用(岩谷)
LNT原則6野生動物への配慮(高橋旺/蓮見)
LNT原則7他のビジターへの配慮(星野)

【スケジュール】
スチューデントティーチングを行うタイミングの目安です。詳細なスケジュールは、リーダー役になった受講者が決定するため、前日までわかりません。
8月31日
午前@自然の家キャンプ場
・LNT原則1事前の計画と準備
・服装の選択
・食料計画、食料パッキング
・バックパックパッキング
午後@1日目ビバークサイト(広葉樹林)
・ロープワーク、タープ
・テントサイトセレクション
・火器の取り扱い、調理法
・食事の片付け
9月1日
午前@沢上流部
・LNT原則2影響の少ない場所での活動
・LNT原則3ゴミの適切な処理(山のトイレ)
午後@2日目ビバークサイト(針葉樹林)
・LNT原則4見たものはそのままに
・LNT原則5焚き火の最小限の使用
・LNT原則6野生動物への配慮
9月2日
午前@自然の家キャンプ場
・LNT原則7他のビジターへの配慮

4.テキスト
本研修のテキストとして、backcountry classroom Inc.が出版するOutdoor Leader Digital Handbookを抜粋した専用テキストを作成しました。主催団体より別途送信されますので、研修に携帯するスマートフォンに保存しご持参ください。本誌に掲載される利用上の注意をよくご確認いただき、研修にお役立てください。正規のハンドブックを希望される方は専用サイトよりご購入ください。
COEパッケージ(NEALインストラクターに相当する有資格者向けです)3,000円
COLパッケージ(NEALリーダーに相当する有資格者向けです)2,000円

5.野外救急法
本研修を開催するにあたり、研修効果を保証するために、直前に専用の野外救急コースを開催いたします。この資格は、1.前提で説明した通り、本研修参加の必須ではありませんが、野外状況下での安全管理を正しく理解するために不可欠な知識と技術です。皆さんの日常の野外業務と責任の範囲を考慮し、必要であればご活用ください。
日時:2020年8月29日(土)-30日(日)9:00〜18:00(くりこま高原駅から送迎します。)
場所:幼少年キャンプ研究会花山キャンプ場(自然の家キャンプ場から車で5分です。)
資格:Wilderness First Aid(通信手段のある日帰りの野外遠征に対応した技術です。)
費用:20,000円(本研修参加者用の特別価格です。)
申込:専用サイト

当日お気をつけてご参集ください。お会いできるのを楽しみにしています。